
宮古島の海には、いくつかの「幻の島」が存在しますが、今最も注目を集めているのがこの「ユニの浜」です。 八重干瀬(ヤビジ)のような遠くの珊瑚礁ではなく、なんと宮古島と伊良部島をつなぐ「伊良部大橋」のすぐ近くに出現します。
まずは、この場所がなぜこれほどまでに人を惹きつけるのか、その正体から紐解いていきましょう。
目次
1. そもそも「ユニの浜」とは?
「ユニ」とは、宮古島の方言ではありませんが、この場所独自の呼び名として定着しています。 場所は、伊良部大橋を宮古島側から渡る手前、久松地区の沖合に位置します。
海の中に突如現れる砂の島
普段は海の底に沈んでいますが、潮が引く(干潮)時間帯になると、海底の白い砂が水面に顔を出し、三日月のような形をした広大な砂浜が出現します。 その広さは、潮の引き具合によって異なりますが、サッカーコート数面分になることもあれば、畳数畳分しかないことも。
この「日によって形や大きさが変わる」という儚さが、幻と呼ばれる所以です。
圧倒的なロケーション
ユニの浜の魅力は、その「位置」にあります。
- 目の前に伊良部大橋:全長3,540mの伊良部大橋を下から見上げるようなアングルで眺めることができます。普段車で走っている場所を海面から見上げる体験は、それだけで非日常です。
- 360度宮古ブルー:陸地から離れているため、周りはすべてクリスタルブルーの海。視界を遮るものは何もありません。
- 波紋(リップルマーク)の美しさ:波によって砂に描かれた幾何学模様(リップルマーク)が、太陽の光を受けてキラキラと輝きます。
2. 【最重要】ユニの浜への「行き方」完全ガイド
ここがこの記事で最も重要な部分です。 結論から申し上げます。
「ユニの浜へは、ツアー(カヤック・SUP・ボート)を利用して行くのが唯一の安全な方法です」
❌ 絶対にNGな行き方
Googleマップを見ると、陸地から近く見えます。「泳いで行けるのでは?」「干潮なら歩いて行けるのでは?」と思うかもしれませんが、絶対にやめてください。命に関わります。
- 潮の流れが速い:伊良部大橋の下周辺は、潮の満ち引きによって川のような激しい潮流が発生します。見た目は穏やかでも、一歩足を踏み入れると一気に沖へ流される危険があります。
- 意外と遠い:陸地からは近く見えますが、実際には数百メートル離れています。干潮時でも大人の足が届かない深さの場所(水路)があります。
- 航路である:漁船やレジャーボートが頻繁に通る航路を横切る必要があるため、個人での遊泳や横断は衝突事故のもとです。
⭕ おすすめの行き方:現地ツアーに参加する
ユニの浜へ上陸するためには、現地のマリンショップが開催しているツアーに参加するのが一般的かつ安全です。 主な手段は以下の3つです。自分の体力や好みに合わせて選びましょう。
① カヤック(シーカヤック)
- 特徴:最もポピュラーな方法。水面に近い目線で、クルージングを楽しみながら島を目指せます。安定感があるので転覆のリスクは低いです。
- 難易度:★☆☆☆☆(初心者・子供連れOK)
- おすすめ:カップル、ファミリー、体力に自信がない人、カメラを持って行きたい人。
② SUP(スタンドアップパドルボード)
- 特徴:ボードの上に立って漕ぐアクティビティ。体幹を使いながら、海上散歩を楽しめます。立って漕ぐため視点が高く、海中の珊瑚や魚がよく見えます。写真映えはNo.1です。
- 難易度:★★☆☆☆(風が強いと少し大変)
- おすすめ:アクティブ派、写真重視の女子旅、新しいことに挑戦したい人。
③ ジェットスキー・ボート
- 特徴:濡れずに、かつ短時間でアクセス可能。自分たちで漕ぐ必要がないので、体力を使いたくない人に最適です。
- 難易度:☆☆☆☆☆(乗っているだけ)
- おすすめ:高齢の方、小さなお子様連れ、ドローン撮影に集中したい人、衣装やヘアメイクを崩したくない人。
3. 【実録】ユニの浜カヤックツアー体験記
ここからは、実際に私が参加した「カヤックでのユニの浜上陸ツアー」の様子を詳しくレポートします。 当日の天気は快晴、大潮の干潮時間を狙っての参加です。
13:00 集合・レクチャー
集合場所は、伊良部大橋のたもと(宮古島側)にあるトゥリバー海浜公園近く。 担当ガイドさんは、真っ黒に日焼けした笑顔が素敵な地元のお兄さんです。 「今日は大潮なので、最高のユニ日和ですよ!砂浜が大きく出ています」という言葉に期待が高まります。
まずは陸上でパドルの使い方を教わります。ライフジャケットをしっかり着用し、「右、左、右、左」とリズムよく漕ぐ練習を5分ほど。 準備運動を済ませて、いざ海へ!
13:30 いざ、大海原へ出発
二人乗りのカヤックに乗り込みます。私は前の席、友人が後ろの席です。 「せーの!」で漕ぎ出すと、カヤックは滑るように水面を進みます。
驚いたのは、海の色。 岸から少し離れただけで、足元には透明度抜群の宮古ブルーが広がっています。 「下を見てください!」とガイドさんに言われ、海面を覗き込むと、鮮やかな青い小魚(ルリスズメダイ)や、サンゴの周りを泳ぐ魚たちがはっきりと見えました。
頭上には、巨大な伊良部大橋。 普段は車で走る橋を、海面から見上げる迫力は圧巻です。「あの橋の下をくぐるの?」とワクワクしていましたが、今回のルートは橋の手前で旋回し、沖合の白く光る場所を目指します。 風が心地よく、パドルを漕ぐ手にも自然と力が入ります。
13:50 幻の島、出現
20分ほど漕いでいると、前方の海の色が劇的に変化し始めました。 深い青から淡いエメラルドグリーン、そして白へとグラデーションを描いています。 水位が徐々に浅くなり、カヤックの底が白い砂に触れそうになります。
「到着です!降りてみましょう!」
カヤックから降りて足を着くと、そこはくるぶしほどの深さ。 目の前には、海の中からぽっかりと浮かび上がった、真っ白な三日月の砂浜が広がっていました。
「すごい……本当に海の上にいる……」
360度どこを見ても海。陸地は遥か遠く。 まるでファンタジー映画の世界に迷い込んだような感覚です。
14:00 上陸・フリータイム
ここからは約40分間のフリータイム。 私たちはまず、島の一番高い場所(と言っても海面から数センチですが)を目指して歩きました。
砂はパウダー状で、素足で歩くとひんやりとして気持ちいい。 波が引いたばかりの砂浜には、綺麗な波紋(リップルマーク)が刻まれており、太陽の光を反射してキラキラと輝いています。
【撮影タイム】 まずはスマホで撮影。 どこを切り取っても絵になります。ガイドさんが「ジャンプしてみましょう!」と提案してくれ、伊良部大橋を背景にジャンプ写真を撮影。 空の青、海の青、砂の白、そして橋の曲線。完璧な構図です。
【ドローン空撮】 今回は許可を得てドローンを持参しました。 上空から見ると、ユニの浜の全貌がわかります。 深い藍色の海の中に、グラデーションを描きながら浮かぶ白い砂の島。 カヤックが小さく見え、人間なんて豆粒のようです。 「地球って美しいな」と、大げさではなく心から思いました。






